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【12月のお話し】

立山連峰をご神体と仰ぐ神仏習合の霊場として開かれた立山修験は、聖者を導いた熊を阿弥陀如来の化身と仰ぎ、極楽と地獄を併わせた修験道の信仰を今に伝えます。

戦国時代から加賀藩支配となったことにより前田家の祈祷寺としての性格が強まりましたが、山々が深い雪に閉ざされた冬の間は、行者たちが護符を配りながら各地を勧進していたこともあり、房総でも神棚や仏壇に立山の御札を祀るお宅があります。さて、二十四節季を五日ごと三つの期間に分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、十二月十二日から十六日が「熊蟄穴(くまあなにこもる)」となります。下界を騒がせた熊たちも、ようやく穴籠りの季節となりました。

深い雪に閉ざされた立山連峰は、ご神体と仰がれるにふさわしい、神々しいお姿で新年を迎えます。

合掌


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