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【5月のお話し】
『古事記』には、イザナミが黄泉の国の竈で炊いた食事を口にしたために現世には戻れないと言う場面が描かれます。古代、火はケガレが移りやすいと信じられていたため、特別な儀式では、種火から熾(おこ)した火ではなく、潔斎した上で清浄な場所で新たな火を鑽(き)り出す忌火(いんび)が用いられました。
伊勢神宮では現在も、写真のような火起こし器を使い、ヒノキの板にヤマビワの心棒をこすり合わせて忌火が起こされます。
さて、ご自宅や墓地での法要に参りますと、マッチを使って火をつけたり、ローソクから線香に火を採ったりといった、裸火の取り扱いに慣れない方が増えているように感じます。
稀なケースですが、線香についた火を吹き消すご年配の方をお見掛けすることもあり、驚かされます。法要は、炎の温度分布や火の危険性、有り難さといったご先祖の智慧をお子さまに語り継ぐ又とない機会です。
合掌


