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【7月のお話し】
比叡山延暦寺座主、慈覚大師円仁によって開かれた恐山は、地獄と極楽とが同居する霊場です。
硫黄の臭いが立ち込める荒涼とした地獄めぐりのエリアは、いたるところに故人の供養のために積まれた賽の河原の積み石が累々と立っている一方で、先に進むと広がる宇曽利湖(うそりこ)の、穏やかに波が打ち寄せる極楽浜の白い砂浜と正面の山並みとの美しさは、まるで極楽にいるように感じられることでしょう。
7月20~24日の恐山大祭では、イタコの口寄せに多くの参拝者が列をなし、大量の風車や花束などが境内に林立します。地獄極楽図や経典に説かれるような死後の世界が実在すると信じる方もいらっしゃるでしょうが、恐山で故人のお名前を叫ぶ人々の声を聞き、無数の風車や石積みを目にする時、庶民にとっての「あの世」が、現世と地続きの山上にあることを実感することができるのです。
合掌


