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2024.06.01

6月のお話し

六月に入ると、南房総市などでは露地物の枇杷が収穫期を迎え、肉厚でみずみずしくさっぱりとした甘さが初夏の訪れを感じさせます。枇杷は、仏教とともに伝来したとされ、『大般涅槃経(だいはつねはんきょう)』というお経に、薬草に様々ある中で、枇杷は枝・葉・根・茎・種に薬効がある最も優れた大薬王樹(だいやくおうじゅ)であると説かれます。
また、光明皇后の発願によって天平2年(730)に設置された施薬院(せやくいん)では、病に苦しむ人々の患部に枇杷の葉を当てる治療が行われた記録があり、徐々に各地のお寺に植えられ民間療法に利用されてきました。現代の暑気払いといえば、そうめんなどの冷たい食べ物やビアガーデンなどをイメージされる方も多いでしょうが、江戸期には食あたりなどに効くとされる、枇杷の葉と枸杞や甘草を煎じた枇杷葉湯(びわようとう)を天秤で担いで売り歩く姿が夏の風物詩であったそうです。古人の知恵を今に生かして、本格的な夏を乗り切りましょう。合掌

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