トピックス

2024.07.02

7月のお話し

人は死ぬと別の世界に行くという信仰は古くからあったようで、行先として恐山や比叡山などの山の上や、竜宮伝説などで知られる海の彼方、黄泉の国などで知られる地の底などが想定されました。このなかで、亡くなった先祖を山上の他界に送る祖霊信仰の例としては、鎌倉時代から江戸時代の銘を持つ石板に先祖の戒名や施主名が彫られた板碑や、30cmほどの細長い石製卒塔婆に戒名などを彫刻したものなどが各地の霊山に数多く伝わっております。
これらの卒塔婆は、当時の民衆たちが死者の世界である霊山での先祖の安楽を願って、廻国聖や山伏などに供養を頼んだことの左証でありましょう。また、山形県の広い地域では、ご遺骨の一部を立石寺奥の院に納める風習が現代に伝えられますが、松尾芭蕉が元禄2年(1689)5月27日(新暦7月13日)に「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ立石寺の岩塔婆群も、納骨に併せて彫られたものでした。蝉の声にも先祖を想う夏の訪れです。合掌

2024.06.30

6月15日 青葉まつり

6月15日(土曜日)午前11時00分より本堂にて真言宗 宗祖降誕会を厳修いたしました。

真言宗を開かれた弘法大師空海さまは、宝亀五年(七七四)六月十五日にお生まれになりました。

本堂にて、お大師さまのご誕生を祝い法要を営みました。

ご参列いただいた皆様に赤飯をお接待致しました。

多数のご参列、有り難うございました。合掌

2024.06.11

6月4日 山家会

6月4日(火)午後1時00分より山家会を厳修致しました。

天台宗を開かれた伝教大師最澄さまは弘仁13年6月4日に亡くなられ

比叡山東塔にある浄土院の御廟に祀られました。

このため、天台宗寺院においては、伝教大師さまのご恩に感謝し

宗祖の忌日を修する山家会(さんげえ)という法要を6月4日に営まれております。

ご参列の皆様に比叡山由来の銘菓阿闍梨餅をお接待いたしました。

多数のご参列有難うございました。 合掌

2024.06.04

庭園の花々

3階の庭園では、紫陽花と蓮が咲きました。

 
 

お墓参りの皆さまにお楽しみいただいております。

2024.06.01

6月のお話し

六月に入ると、南房総市などでは露地物の枇杷が収穫期を迎え、肉厚でみずみずしくさっぱりとした甘さが初夏の訪れを感じさせます。枇杷は、仏教とともに伝来したとされ、『大般涅槃経(だいはつねはんきょう)』というお経に、薬草に様々ある中で、枇杷は枝・葉・根・茎・種に薬効がある最も優れた大薬王樹(だいやくおうじゅ)であると説かれます。
また、光明皇后の発願によって天平2年(730)に設置された施薬院(せやくいん)では、病に苦しむ人々の患部に枇杷の葉を当てる治療が行われた記録があり、徐々に各地のお寺に植えられ民間療法に利用されてきました。現代の暑気払いといえば、そうめんなどの冷たい食べ物やビアガーデンなどをイメージされる方も多いでしょうが、江戸期には食あたりなどに効くとされる、枇杷の葉と枸杞や甘草を煎じた枇杷葉湯(びわようとう)を天秤で担いで売り歩く姿が夏の風物詩であったそうです。古人の知恵を今に生かして、本格的な夏を乗り切りましょう。合掌

2024.05.15

宗祖降誕会(青葉まつり)のご案内

真言宗を開かれた弘法大師空海さまは宝亀5年(774)6月15日

讃岐国多度郡屏風ヶ浦(現在の香川県善通寺市)にご誕生されました。

当山では真言宗四僧が出仕し、お大師さまのご生誕を祝い、ご恩に感謝する法要を

下記のとおり営みますので、多くの方々にご参拝いただきたくご案内申し上げます。

日時 令和6年6月15日(土曜日)午前11時~

2024.05.09

山家会のご案内

天台宗を開かれた伝教大師最澄さまは弘仁13年6月4日に遷化され

比叡山東塔にある浄土院の御廟に祀られました。

当山では、伝教大師さまのご恩に感謝し、宗祖の忌日を修する山家会を下記のとおり

営みますので、多くの方々にご参拝いただきたくご案内申し上げます。

日時:令和6年6月4日(火)午後1時~

2024.05.06

4月29日 旧正御会供

4月29日(月曜日)13時より旧正御影供を本堂にて厳修致しました。

職衆には真言宗3名の僧侶が出仕いたしました。

ご参列いただいた皆様に高野山銘菓のみろく石をお接待致しました。

ご参列有り難うございました。合掌

2024.05.06

福祉協議会募金 御報告

当山受付に設置しています募金箱には、多くの皆さまからご厚志をいただいております。

皆さまのお力添えに心より感謝合掌申し上げます。

2024.05.01

5月のお話し

キャンプの焚火などには心を落ち着かせるはたらきがあるようですね。火の神聖さをあらわす古語として『古事記』などには「産霊(むすひ)」という言葉があって、神名の一部として用いられたり、「万物を生み成長させる神秘で霊妙な力」の意味に用いられたりします。この語は生じるを意味する「産・むす」と、神霊を意味する「霊・ひ」との複合語であると解釈できるそうで、さらに「霊」と「火」とは「ひ」音が同じことから、霊魂の継承や連続性に火の儀礼が用いられることがありました。
現代に残る例として、出雲大社の火継式(ひつぎしき)が挙げられます。出雲の国を代々治めてきた千家氏(せんげし)の家長は、旧国造(くにのみやつこ)が亡くなると熊野大社に参向して火を鑽(き)り出し、その火で調理された料理を神前に供えるとともに自らも食べ、鑽り出された聖なる火は出雲大社に持ち帰られて後、国造の館において絶やしてはならないとされる秘儀です。旧国造の「霊」を象徴する聖なる「火」によって、新国造は出雲大社の祭祀と出雲国造(いずものくにのみやつこ)の称号を受け継ぐのです。仏壇やキャンドルの灯に、ご先祖さまを想ってみませんか。