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2023.07.06

7月のお話し

京都の祇園祭(ぎおんまつり)は、明治以前には祇園会(ぎおんえ)、中世以前には祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)と呼ばれておりました。御霊とは、早良親王(さわらしんのう)や伊予親王(いよしんのう)などの無実の罪を着せられて亡くなった方々のことで、その魂が悪鬼となって天災や疫病などをもたらすと信じられていたそうです。貞観5年(863)には咳風邪の大流行により多数の死者が発生し、また、その後も富士山や阿蘇山の噴火、大地震と津波などの天災が国中を襲います。そこで朝廷は、災いの終息を願って当時の国数と同じ66本の鉾を作り、御霊の依り代としました。そして、八坂神社から神泉苑に鉾を祀った神輿を送り、悪鬼となった御霊を神泉苑の池に流して清める御霊会が始められたのです。今年の祇園祭では前祭(さきまつり)が7月16日、後祭(あとまつり)が7月24日に豪華な山鉾が巡行します。「水に流す」の慣用句は、文字通りの呪術的な意味を持っていたのですね。合掌

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